
革も人生も、刻まれた傷や色褪せこそが美しい。
経年変化が語る唯一無二の輝きは、人も革も同じ。
あらゆるものが変わりゆく。
だからこそこの一瞬を、「いま」を大切にしたい。
何気ない日常が愛おしい、そんな毎日を革を通してお届けするのが私の仕事です。

History
レザークラフトとの出会いは、2021年。
宗教者という立場でもある私は当時、臨床宗教師という資格を得るために2年間の講座を受講していました。(臨床宗教師についてはこのサイトでは触れませんが、傾聴を中心としたケアを提供する資格です)
1年目は座学、2年目は実習というプログラム構成で、私は実習を目前に控えていました。
実習では、様々な会話実習の内容に自分の心が疲れてしまったり、あるいは心ない罵声を浴びせられたりすることは当然予想されるわけで、「セルフケアをいくつも持っていることがプロとしての心構え」と教えられ、セルフケアの一つとして興味本位で始めたのがきっかけでした。
セルフケアがいつの間にか事業へ
どうせすぐ飽きてやめるだろうと、軽い気持ちで始めたレザークラフトでしたが、気づいたら友人知人からオーダーをもらえるようになり、その魅力にのめり込んでいきました。
時代の流れも相まってか、YouTubeを検索すれば、丁寧に解説してくれる動画が沢山ありました。私の技術は全てYouTubeからのものですが、こういった環境がなければ早々に挫折していたでしょう。時代に感謝です。
これも時代の流れでしょうか、個人でもネットで簡単に物を販売することができる環境が整っており、ハンドメイドサイトなどでの出品も始めました。
当時は超激安価格で販売していたため、多くの方にご購入いただくこともできました。
こうして、製作の面白さだけでなく、販売の楽しさも感じるようになりました。
ランドセルリメイクの誕生

CBRO.mの代名詞ともなっているランドセルリメイクはどのように生まれたのでしょうか。
レザークラフトをはじめて間もない頃というのは、革をどこから仕入れたらよいのか、多くの方がもつ悩みだと思います。もちろん私も革難民の一人だったわけですが、そもそも軽い趣味だからお金をかけずにやりたいわけです。
そこで浮かんだのか使わなくなったランドセルの存在でした。
年度末にお子さんが小学校卒業を控えている友人に相談すると、「卒業したら捨てる」とのことで、運よく譲っていただけることになりました。それが2021年5月のことです。つまりレザークラフトを始めて本当に間もない頃の話です。
いらなくなったランドセル
月日は流れ、知識や技術の向上に伴って、革の仕入れ先もある程度固まってきていました。つまり譲っていただく約束をしていたランドセルは正直不要になってしまっていました。
そんなことは打ち明けられず、約束通りランドセルをいただいた訳ですが、このランドセルをどうしたもんかと頭を悩ませることになります。そしてものすごく場所をとるランドセル。
そこで思いついたのが、財布にリメイクして卒業祝いとしてプレゼントしようという試みでした。
この軽い思いつきが、予想以上に喜んでもらえたばかりか、クチコミやInstagramからのリアクションで様々な方からオーダーをいただけるまでになりました。
さらには、イベントへの出店に声をかけていただいたり、ふるさと納税返礼品に登録していただいているのも、すべてランドセルリメイクがきっかけです。色々な巡り合わせやラッキーが重なって、小さな奇跡が生まれたような、そんな感覚です。
革を通して届ける「何気ない日常の愛おしさ」
何気ない日常こそが愛おしい、そんな当たり前ことだけどついつい忘れてしまいがちな大切なことを、革を通してお客様にお届けし、お喜びいただくことが私の使命だと思っています。
沢山の方に喜んでいただけるよう、喜びが家庭や地域、職場を明るく優しく包み込んでくれるよう、日本が世界がより良い社会に進んでいけるよう、これからも日々精進して参ります。
Momoishi Leather Works CBRO.m
小向 善幸